メラニズム。
メラニズム(melanism)とは、体表の色素、とくに黒っぽい色素(ユーメラニン)が多くつくられ、体の色が全体に黒っぽくなる現象のこと。黒ヒョウや黒猫がその例。
私たちの身のまわりにも、同じ種の中に体色の濃い個体・淡い個体がいます。その「濃いほう」に大きく振れた状態がメラニズムです。反対に、色素が極端に少なくなって白っぽくなる状態はアルビニズム(白化)と呼ばれます。
原因は一つではない
黒くなる原因は、色素づくりに関わる遺伝子(ASIPやMC1Rなど)の変化であることが多いのですが、その壊れ方は種によってばらばらです。たとえばネコ科では、飼い猫・ジャガー・ジャガランディで別々の遺伝子変化が黒化に結びついており、黒(メラニズム)は少なくとも4回、独立に生じたと報告されています(Eizirik ほか, 2003)。同じ見た目に、違う道からたどり着いているわけです。
読むときの注意
「これだけ何度も現れるのだから、黒いことには利点があるはず」と考えたくなりますが、その適応的な意味(暗がりでの狩り、体温、仲間への見え方など)は、いまも決着していません。メラニズムは「どうやって黒くなるか」と「黒いと得か」を分けて考えるのが慎重な読み方です。
補足:メラニズムの適応的意味は未決着。色素遺伝子は他の働きにも関わるため、色から健康や性質を断定するのは禁物。