用語辞典 — ツギノテ。SCIENCEGLOSSARY

地球温暖化係数(GWP)

地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)とは、ある温室効果ガス1トンが一定期間にもたらす温暖化の効果を、同じ重さのCO2の何倍かで表した指標。CO2を1とし、100年間を対象にした「GWP100」がもっとも広く使われます。IPCC第6次評価報告書(AR6)の100年値では、メタンが約27〜30、亜酸化窒素(N2O)が273です。

種類の違うガスを足し算するために作られた、いわば換算レートです。排出量の統計や削減目標が「CO2換算トン」で書かれているとき、その裏側でこの係数が働いています。

「何年で見るか」で数字が変わる

GWPには期間の指定が必ず付きます。ガスは大気中にとどまる時間がそれぞれ違うためです。メタンは十数年で分解が進む一方、N2Oは100年を超える寿命をもつとされます。短い期間で切ればメタンの係数は大きくなり、長い期間で見れば小さくなります。「メタンはCO2の何倍」という表現を見たら、20年値か100年値かを確かめる必要があります。

評価報告書ごとに更新される

GWPは固定値ではなく、科学的な理解が進むたびに更新されます。同じガスでも第4次・第5次・第6次評価報告書で数値が異なるため、古い資料と新しい資料の数字を混ぜて比べると誤差が生じます。排出削減の効果を比べるときは、どの報告書の係数を使っているかを揃えておくのが実務上の要点です。

参照:US EPA「Understanding Global Warming Potentials」(IPCC AR6の値を掲載)。関連記事:温室効果270倍のガスを150℃で99.99%。その代わりに差し出したもの。