用語辞典 — ツギノテ。SCIENCEGLOSSARY

バイオシグネチャー

バイオシグネチャー(biosignature)とは、生命の存在や活動を示唆しうる指標(特定の分子や痕跡など)。

系外惑星や太陽系の天体で「生命の兆し」を探すときの、出発点となる概念です。生命そのものを遠方で直接とらえるのは難しいため、生命の活動が環境に残す間接的な手がかりを積み重ねて可能性を評価します。近年は観測装置の進歩で遠くの惑星の大気を調べる試みが現実味を帯び、この語が注目される場面が増えています。

候補としては、大気中の特定の分子(酸素やメタンなど、単独ではなく複数の組み合わせで語られることが多い)や、地層・鉱物に残る痕跡、炭素などの同位体比の偏りといった化学的・地質学的な指標が議論されます。生命が代謝を通じて、大気や環境の組成を非生物的には保ちにくい状態に維持する、という発想が背景にあります。たとえば酸素は魅力的な候補とされますが、それ単独では非生物的にも作られうるため、他の気体との共存や量の偏りといった文脈まで含めて評価されます。

解釈の難しさ

ある指標を検出できても、それだけでは生命の存在の証明にはなりません。同じ分子や痕跡が火山活動や光化学反応など非生物的な過程からも生じうるため、代替となる説明を一つずつ排除していく慎重な検証が欠かせません。単一の指標に頼るより、複数の指標や周辺の状況を重ね合わせて確からしさを見積もるのが一般的な考え方とされています。

補足:「生命の兆候を発見」と報じられても、査読の状況・追試・非生物的な代替説明の検討を確かめてから受け止めたい。関連語にハビタブルゾーン。