CD指数。
CD指数(CD index)とは、ある論文や特許が先行研究の流れを断ち切ったか引き継いだかを、後続論文の引き方の内訳から−1〜+1で表す指標。
2017年にラッセル・ファンク氏とジェイソン・オーウェン=スミス氏が提案しました。考え方は素朴です。ある論文が出たあと、それを引く後続論文を集めて、その後続論文が「その論文だけ」を引いているか、「その論文と、その論文が引いていた古い文献の両方」を引いているかを見分けます。前者が多ければ、あとに続く人たちは古い文献を見に戻る必要がなくなった、つまり流れを断ち切った証拠として+の側に、後者が多ければ流れを引き継いだ証拠として−の側に数えます。名前のCとDは統合(consolidating)と破壊(disruptive)から来ています。
CD5という書き方
後続論文をいつまで数えるかを決めないと値が定まらないため、発表から何年ぶんを数えたかを添えて書きます。5年ぶんならCD5です。多くの研究がCD5を使うのは、比較できる年数を長く取れるためで、5年に理論的な根拠があるわけではありません。
参考文献が無いと最大値になる
この定義には、覚えておくと役に立つ癖があります。参考文献が1本も登録されていない文献は、後続論文が「両方を引く」ことも「参考文献だけを引く」こともできません。そのため被引用が1本でもあれば、その文献のCD指数は自動的に+1、つまり最大値になります。中身が破壊的かどうかとは無関係です。社説・訃報・絵本のように参考文献を持たない文書や、データベース側が参考文献を取りこぼした文献が標本に混ざると、平均値が上振れします。
読み手の対策:CD指数の平均値が下がった/上がったという話を読んだら、標本から参考文献ゼロの文書を除いてあるかを確認する。除いた場合の値が併記されていない集計は、混ざりものの比率が変わっただけでも同じ向きに動く。