用語辞典 — ツギノテ。SCIENCEGLOSSARY

門(phylum)とは、生物の分類の階級のひとつ。上から順に界・門・綱・目・科・属・種と並ぶうちの2番目で、界のすぐ下、綱のすぐ上にあたる。動物界の場合、体のつくりの根本的な違いで分けられる。

身近な例で並べると、ヒトもマグロもカエルも脊索動物門。昆虫・クモ・エビ・カニは節足動物門。ミミズやゴカイは環形動物門。ヒトデやウニは棘皮動物門。カイメンは海綿動物門です。門が違うということは、体の設計の根本から違うということになります。

「◯門にまたがる」の意味

論文やプレスリリースで「9つの門にまたがって見つかった」という書き方が出てきたら、それは種の数よりも分布の広さを言っています。同じ門の中で50種見つかるのと、9つの門で50種見つかるのは、意味が違います。後者は系統樹の上で遠く離れた枝に同じものがある状態なので、共通祖先の時点で既に持っていた、あるいは何度も独立に獲得した、という解釈の入口になります。

読むときの注意

門の数え方は固定されていません。動物界でおよそ30強とされることが多いものの、分子系統の知見が増えるにつれて統合されたり分割されたりしてきました。「何門あるか」を確定した数字として扱わないほうが安全です。また、門はあくまで人が引いた線であり、進化の実際の枝分かれと一対一で対応しているとは限りません。

補足:植物や菌類の分類では、門にあたる階級を division と呼ぶ慣習が長く使われてきた。現在は phylum に統一する扱いが増えているが、文献の年代によって語が変わる。