用語辞典 — ツギノテ。SCIENCEGLOSSARY

ウルトラホットジュピター

ウルトラホットジュピター(ultra-hot Jupiter)とは、主星のごく近くを公転し、表面が極端な高温になる巨大ガス惑星の総称。

系外惑星のなかでも観測しやすく、大気研究の「極端な実験室」としてよく登場します。木星ほどの大きさを持つガス惑星が主星のすぐそばを回るという、太陽系には存在しないタイプの天体です。

特徴

主星に非常に近いため公転周期がごく短く、強い放射を浴びて昼側の大気は非常な高温になります。多くは潮汐固定(自転と公転が同期し、いつも同じ面を主星へ向ける)状態にあると考えられ、灼熱の昼側と比較的冷たい夜側がはっきり分かれます。高温のため、通常なら分子として存在する物質が原子やイオンに分解されるなど、極端な化学状態が現れるのも特徴です。

なぜ研究されるか

大気が高温で膨張し、トランジット時の信号が比較的大きくなるため観測しやすく、大気に含まれる元素や、昼夜の温度差が生む風・化学の循環を調べる好対象になります。極端な条件は、他の惑星ではとらえにくい現象がはっきり現れるため、大気モデルを試す格好の題材でもあります。ただし環境は地球型惑星とはまったく異なり、生命の居住可能性の議論とは切り離して扱われます。あくまで大気物理や化学を理解するための対象、という位置づけです。

補足:WASP-121bなどが代表例として挙げられる。個々の結論は1天体についての話であり、一般化には他の天体での観測の積み重ねが必要。