オリオン座流星群は極大の前夜のほうが、暗い空を1時間長く使える。
要点:国立天文台によると、オリオン座流星群は2026年10月22日ごろに極大を迎えます。東京では月が22日午前1時24分に沈み、日の出(5時53分)の前まで月明かりのない時間が続きます。道具は要らず、空の広く開けた場所で寝転び、15分以上空全体を眺めるのが目安です。1時間に見える数は、暗い空でも5〜10個ほど。月が1時間早く沈む21日未明のほうが、暗い空を1時間長く使えます。
10月22日の未明、東京の空から月が消える時刻は、午前1時24分と決まっています。オリオン座流星群を見るなら、この時刻のあとが、その夜でいちばん暗い時間です(国立天文台暦計算室「月の出入り@東京」2026年10月)。
国立天文台の「ほしぞら情報」は、2026年のオリオン座流星群の極大を10月22日ごろとしています。見頃は極大の前後数日間の夜半から未明で、1時間に見える数は5〜10個ほど。同じ欄には「未明に月が沈んだ後は条件が良い」と添えられています。この記事は、その「月が沈んだ後」が何時から何時までなのかを、東京の値で並べ直したものです。
東京の月の入り、3つの夜を並べる
月は10月19日に上弦を迎え、26日の満月へ向かって太っていきます(国立天文台)。流星を見るころの月は、宵のうちから空に居座る半月より丸い月です。月の入りは毎晩およそ1時間ずつ遅くなり、東京では21日未明が0時23分、22日未明が1時24分、23日未明が2時26分です。月が沈んでから夜明け前の薄明が始まるまでが、月明かりのない時間になります。
| 未明の日付 | 月の入り(東京) | 月の入り時点の放射点の高さ | 月明かりのない時間(目安) |
|---|---|---|---|
| 10月21日(20日夜から) | 0時23分 | 約40度 | 約4時間 |
| 10月22日(極大とされる夜) | 1時24分 | 約50度 | 約3時間 |
| 10月23日 | 2時26分 | 約60度 | 約2時間 |
極大とされる22日未明より、月が1時間早く沈む21日未明のほうが、暗い空を1時間ほど長く使えます。表の右端は、月の入りから薄明の始まりまでを数えた本紙の目安です。
暗い時間の長さと、放射点の高さは引き換えです
ただし、早く暗くなる夜がそのまま良い夜とは限りません。国立天文台の観察ガイドによると、放射点が低いときは、流星のもとになる塵が大気に斜めに飛び込むため、出現数が少なくなります。横から吹き込む雨より、真上から落ちる雨のほうが傘に当たる粒が多いのと同じ理屈です。
オリオン座流星群の放射点は、IMOの流星群データで赤経6時20分・赤緯プラス15.8度。ここから東京での高さを計算すると、午前0時ごろに約30度、午前3時ごろに約65度、午前4時半ごろには約70度まで昇ります(この高さは本紙の概算です)。月の入りの時刻で見ると、21日未明は約40度、22日未明は約50度、23日未明は約60度。夜が進むほど、放射点は頭の上へ持ち上がっていきます。
つまり、21日未明は暗い時間が長いかわりに序盤の放射点が低く、23日未明は放射点が高いかわりに暗い時間が短い。どの夜がいちばんかは、この数字だけでは決められません。国立天文台の暦が極大とする22日未明は、その中間にあたります。
流星は、ハレー彗星の通り道から来ます
オリオン座流星群の母天体は、ハレー彗星(1P/Halley)です(国立天文台)。彗星が通ったあとの軌道には、目に見えない砂ぼこりの帯が長く残り、地球は毎年10月に、その帯を横切ります。流星の速さは秒速約66kmとされ、東京から大阪までの直線距離およそ400kmを、6秒ほどで進む速さです(この換算は本紙)。
例年は、1時間に20個を超えることはあまりありませんでした。ところが2006年には、1時間あたり60個以上、観測者によっては100個を超える流星が見られています。ダストトレイルモデルの研究で、およそ3000年前にハレー彗星から放出された塵が原因と報告されました(国立天文台)。日本の歴史でいえば、縄文時代から弥生時代へ移るころに彗星が置いていった塵が、3000年のあいだ宇宙を漂って地球に届いた計算です。今年がそのような年になる保証はありません。ただ、予報の数字が上限ではないことは、過去が示しています。
何時から、どこを、何で見るか
時刻は、22日未明なら午前1時24分以降、日の出前の薄明が始まる4時20分ごろまで。流星は午後10時ごろから流れ始めますが、放射点が高くなる真夜中過ぎが観察に向いていると国立天文台は述べています。月は西南西の低空へ傾きながら沈んでいくので(月の入りの方位は約257度)、月のある方向を正面にするのは避けます。見る方向に決まりはなく、流星は放射点のまわりだけでなく空のどこにでも現れます。広く見渡せる場所で、空全体に注意を向けるほうが数えやすくなります。
道具は肉眼で足ります。望遠鏡や双眼鏡は見える範囲が狭く、かえって不向きです。レジャーシートを敷いて寝転ぶと、首を痛めずに長く空を見られます。未明の東京は冷えるので、防寒も用意してください。暗さに目が慣れるまで15分ほどかかるため、最低でも15分は空を見続けるのが国立天文台の目安です。
日本からは、全国で見えます。放射点が赤緯プラス15.8度にあり、日本中どこからでも空に昇るためです。月の入り時刻は場所によって数十分ずれるため、お住まいの地域の値は暦計算室で調べられます。雲が出れば見えません。この日が曇りでも、流星の出現期間は10月2日から11月7日までと国立天文台の表にあるので、数日前後の夜を試す余地は残ります。
まだ言い切れないこと
極大の日付は、情報源によって揺れます。国立天文台の10月の星空ページは22日ごろ(IMOの予報にもとづく)、同台の「主な流星群」の表は一般的な極大として21日頃と書き、年によって前後1〜2日移ると注記しています。国立天文台の暦が極大とする22日未明を軸にしつつ、21日未明と23日未明も候補に入れるのは、この揺れがあるためです。
数にも幅があります。「1時間に5〜10個」は、天の川が見えるような暗い空で一般の方が観察したときの目安です。理想条件に換算したZHR(放射点が真上にあり、6.5等の星まで見える空での1時間あたりの数)は20ですが、大都市の街明かりの下では、予想の数分の一にも満たないことがあります。反対に、空の条件や観察者の慣れによって数倍見える場合もあると国立天文台は述べています。
この記事で本紙が計算した値は、放射点の高さ、薄明の始まり、「暗い時間」の長さ、速さの換算の4つです。放射点の位置と速度はIMOの値を使いましたが、IMOのサイトは再構築中のため原ページを開けず、検索結果に表示された値によっています。観測予報であり、査読論文ではありません。
追える場所と、次の見頃
当日の確認先は3つあります。国立天文台の「ほしぞら情報2026年10月」(極大日と見え方の最新の記載)、暦計算室の「月の出入り」(地域を選んで月の入りを調べられます)、同じ暦計算室の「今日のほしぞら」(惑星や星座の見え方を確かめられます)です。
次に月の条件と放射点の高さを見比べたくなるのは、国立天文台の表に載る次の流星群です。おうし座南流星群が11月5日頃(極大時1時間あたり3個)、しし座流星群が11月18日頃(同4個)、ふたご座流星群が12月14日頃(同60個)。ふたご座は、オリオン座の10個の6倍にあたります。どの夜でも、見るのは同じ2枚の表、月の出入りと日の出入りです。
編集責任者:Tatsuki Morohashi(発行人・運営者情報) / 最終更新:2026.10.15
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