用語辞典 — ツギノテ。SCIENCEGLOSSARY

de novo タンパク質設計

de novo タンパク質設計(de novo protein design)とは、自然界に存在する配列を出発点にせず、望みの立体構造や機能を条件として与え、ゼロから新しいタンパク質を設計する手法。「de novo」はラテン語で「新たに」の意味です。近年は拡散モデルなどの生成AIを用いた設計が進み、目的の相手に結合するタンパク質や、抗体の候補まで作られています。

設計されたタンパク質は、実際に合成して細胞や試験管の中で働くかを確かめる必要があります。計算上は良い構造でも、実験で機能しないことは珍しくありません。したがってこの分野の報告を読むときは、「何個設計して、何個を実験に回し、何個が機能したか」を確認するのが基本になります。

もう一つの路線=鋳型ガイド設計

これと対照的なのが、既存のタンパク質を鋳型として持ってきて改造する路線です。論文では template-guided design(鋳型ガイド設計)と呼ばれます。ゼロから作る手法は「働く分子が存在する領域」の外から出発してそこへ近づこうとしますが、鋳型ガイド設計は最初からその領域の内側にいて、そこから外向きに探索していく、という違いがあります。

長さを変えられるかが分かれ目になる

ゼロから作る手法は生成の時点で長さを決めてしまうため、後からの改変は主にアミノ酸の置換に限られます。一方、自然の進化は挿入と欠失によっても分子を作り変えてきました。2026年7月にNatureで報告された「Raygun」は、タンパク質言語モデルの埋め込みを固定次元の確率分布に置き換えることで、置換と挿入・欠失を同時に扱えるようにした鋳型ガイド設計の例です。著者らは、両路線は競合ではなく組み合わせられると述べています。

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