用語辞典 — ツギノテ。SCIENCEGLOSSARY

DHW

DHW(Degree Heating Weeks)とは、サンゴが受けた高水温ストレスを、平年より高かった分と、それが続いた期間の積み上げで表す指標。

サンゴにこたえるのは、その日の最高水温そのものではなく、高い状態がどれだけ続いたかです。31℃が1日だけの海と、30℃が2か月続いた海を比べると、重いのは後者です。DHWは、その海のふだんの夏の水温を基準に置き、そこを超えた分を積み上げて「℃週」の単位で表します。積算なので、水温の高さと期間の長さの両方が入ります。

目安になっている値

一般に、この値が4を超えると白化が始まり、8を超えると大規模な白化と死滅のリスクが高まるとされます。数字が大きいほど重いという読み方はできますが、比例して被害が増えるという意味ではありません。2026年8月に報告された日本沿岸の調査では、DHWが12.0を超えても白化が観察されなかった地点があります。

値だけでは決まらないもの

DHWは水温から計算する指標なので、その海の地形も、潮の動きも、そこにいるサンゴの種類の違いも、値そのものには入っていません。同じ数字でも、種の組み合わせ、地域ごとの環境条件、その集団がこれまで経験してきた温度履歴によって結果は変わります。台風の接近で一時的に水温が下がれば、積算の途中で流れが変わることもあります。

読み手の注意:DHWの数値を比べるときは、どの期間の平年値を基準にしているか、どの水温データから計算しているかが揃っているかを見る。基準が違えば、同じ海でも値は動く。