マール。
マール(maar)とは、上昇したマグマが地下水に触れて起こる水蒸気爆発で地面がくり抜かれ、そこに水が溜まってできる円い火口湖。
富士山のように高く盛り上がる火山とは、でき方が逆です。マグマが地表へ向かう途中で帯水層にぶつかると、水が一気に水蒸気に変わって膨張し、上の地層ごと吹き飛ばします。残るのは山ではなく、地面に空いた円い穴です。周りには吹き飛んだ細かい破片が低い環状の堤として積もります。穴の底が地下水面より低ければ、時間とともに水が溜まって湖になります。
名前の由来はドイツの一地方
この型の火山が最初に学術的に記述されたのはドイツ西部のアイフェル地方で、地元の呼び名がそのまま学術用語になりました。西アイフェル火山地域には100個を超えるマールがあり、プルファーマールやダウナー・マーレのように現在も湖として残っているものが知られています。マールは世界でもっとも数の多い火山の型のひとつに数えられます。
年代を決めるのが難しい火山でもある
マールの噴出物は周りの地層を巻き込んだ破片が主体で、年代測定の時計として使える鉱物を含まないことがあります。西アイフェルの場合はマグマがジルコンを結晶しないため、従来の手法がほぼ使えませんでした。そこでマグマが地殻から運び上げた捕獲岩に含まれるジルコンを使い、噴火で急冷した時刻を読む方法が報告されています。
読み手の注意:湖の丸さは水の性質ではなく爆発の跡。静かな景勝地に見えても、地質としては爆発的な噴火の産物として扱われる。