赤方偏移。
赤方偏移(せきほうへんい/redshift)とは、宇宙が膨張しているために、遠い天体ほどその光の波長が伸びて赤い側へずれる現象。記号 z で表す。
音の高さが救急車の通過で変わって聞こえるように、光も源が遠ざかると波長が伸びます。宇宙全体が膨らんでいるため、遠くの銀河ほど速く遠ざかって見え、その光は赤い方向へ大きくずれます。この「ずれ」の大きさが赤方偏移で、値 z が大きいほど、より遠く——つまり、より昔の宇宙の姿を見ていることを意味します。
距離と時代の「ものさし」
z は、天体までのおおよその距離や、その光が放たれた時代を見積もる手がかりになります。たとえば z=7を超える天体は、宇宙が誕生してから10億年もたたない、ごく初期の姿を映しています。最初期のクエーサーや銀河を探すとき、この z の値がしばしば「記録」として語られます。
注意しておきたいこと
ただし、z から「何年前」「何光年」といった具体的な数字へ換算するには、宇宙の膨張の仕方を記述する標準的な宇宙モデルを前提にします。広く受け入れられたモデルではありますが、直接ものさしを当てて測った値ではない、という点は押さえておきたいところです。