用語辞典 — ツギノテ。SCIENCEGLOSSARY

立ち上がり時間

立ち上がり時間(rise time)とは、ある量が最終の値まで増えていく過程のうち、中心部分が進むのにかかった時間。両端を避け、全体の20%から80%までのような区間で測るのが一般的。

始まりと終わりは、いちばん決めにくい場所です。動き出す瞬間は雑音に埋もれ、止まる瞬間は「もう止まった」と「まだ少し動いている」の区別が付きません。そこで、上下の端を切り落として中心だけを測ります。

なぜ端を切るのか

0%から100%までを測ると、値は雑音の大きさと観測の長さに左右されます。20%から80%までに区切れば、同じ現象を別の装置や別の手法で測ったときにも比べられます。切る位置は分野によって10〜90%を使うこともあり、どの区間で測ったかを書かない立ち上がり時間は比較できません

平均速度との関係

区間の平均速度は、その区間で進んだ量を区間の時間で割った値です。20%から80%なら進んだ量は全体の60%にあたるので、全体の変位を立ち上がり時間で割った値とは一致しません。同じ現象でも、測った区間が違えば平均速度は変わります。地震の断層のすべりで「約1m/s」と「約0.7m/s」が並ぶとき、値の対立ではなく区間の違いであることがよくあります。最大速度はさらに別の量で、区間の平均より大きくなります。

補足:地震学では、断層面の各点がすべり終わるまでの時間を rise time と呼び、震源過程の解析で基本となる量のひとつ。地表に現れた変位を映像から測る場合も同じ考え方が使われる。