アイマー器官。
アイマー器官(Eimer's organ)とは、モグラ科の動物の鼻先の皮膚に並ぶ触覚センサー。表皮の小さな膨らみ1個ごとに神経終末が束になって入り込み、押しつけた対象の細かな凹凸を読み取る。1871年にドイツの動物学者Theodor Eimerが報告した。
「点」ではなく「粒の集合」で触る
ヒトの指先の触覚が受容器の分布として広がっているのに対し、アイマー器官はひと粒ずつが独立した単位として皮膚の表面に並びます。1個の直径は数十マイクロメートル程度。表皮が小さく盛り上がった構造で、その真下に神経の枝が集まっています。粒がぎっしり敷き詰められることで、面としての解像度が上がる仕組みです。
ホシバナモグラでの数
もっとも極端なのがホシバナモグラ(Condylura cristata)で、直径1センチほどの鼻先の星に約25,000個が並び、10万本を超える有髄神経線維が通っていると報告されています。哺乳類の皮膚として知られているかぎり最も高い神経支配密度です。ただしモグラ科でも種によって数と密度は大きく違い、嗅覚に頼る種ではずっと少なくなります。
日本のモグラにもある
アイマー器官はモグラ科に広く備わっており、アズマモグラやコウベモグラ、ヒミズの鼻先にもあります。日本でも解剖学的な記載が積まれてきました。星のような造形にはなっていませんが、暗い土のなかで鼻先の触覚を頼りに進むという点は共通しています。
補足:1個のアイマー器官には性質の異なる複数種類の神経終末が入るとされ、触覚と痛覚の線維が分かれて配置されているという報告もある。関連語として触覚のフォベア。