用語辞典 — ツギノテ。SCIENCEGLOSSARY

銀河周縁物質

銀河周縁物質(circumgalactic medium、CGM)とは、銀河の円盤の外側から、その銀河の重力がかろうじて束縛している範囲までを満たす、きわめてうすいガス。温度は数万度から数百万度まで幅があり、可視光ではほとんど見えない。

銀河の写真に写っているのは、光っている星と、星に照らされた塵です。しかし銀河が抱えている物質はそれだけではありません。円盤のさらに外側に、目に見えないガスが球状に広がっている、と考えられています。2017年の総説は、この領域が円盤に匹敵するかそれ以上の質量を抱えている可能性を指摘しました。

なぜ注目されるのか

銀河にある星の総量から逆算すると、材料になったはずのガスの量が足りません。この「勘定の合わなさ」を埋める置き場所の第一候補がCGMです。また、CGMは単なる貯蔵庫ではなく、外から流れ込むガスと、超新星などで銀河から吹き出したガスが行き交う通り道でもあるとされ、銀河が星をつくり続けられるかどうかを左右する調整弁と位置づけられています。

どうやって測るか

密度が低すぎるため、直接の撮像は困難です。従来は、CGMの向こう側にある明るい天体(クエーサーなど)の光が通過するときに削られる吸収線から、視線1本ぶんの情報を取る方法が主でした。近年は、CGM自身がわずかに放つ輝線を面として撮ろうとする試みが進んでいます。とくに酸素から電子が5個はぎ取られた状態(O VI)が出す波長103ナノメートル付近の輝線は、およそ30万度前後のガスを映す手がかりとされますが、この波長は地球の大気を通り抜けられないため、観測には宇宙に出る必要があります。

なお、CGMが「行方不明の物質」をすべて説明できるかどうかは、まだ決着していません。推定される質量は観測手法とモデルに強く依存します。